統合失調症は治るのか
統合失調症になって症状が多少落ち着いてから、時々考えていた。
(統合失調症って、治るのかな・・・。)と。
きっと、統合失調症患者なら皆一度は考えると思う。
思い切って主治医に聞いてみると、
「薬は生涯飲まないといけませんね。」
と言われたのだった。
若かりし時であったから、それは本当にショックであり、主治医ははっきりとは言わなかったが、一生「完治した」という言葉は使えないのだな、と察した。
最近になって統合失調症が再発して、再び考えるようになったのだが、そもそも「治る」という意味もこの病気に限っては少し違うのかもしれない。
私自身の考えではあるけれど、今日は少しブログに書きたいなと思う。
「統合失調症が治る」・「治った」というと、例えば幻聴が聞こえなくなるだとか妄想がなくなるだとか、そういう統合失調症としての症状が全く無くなることを考えてしまいがちなのだけど、実はそうではないのではないだろうか。
例えば、朝起きて歯を磨いているときに、
「お前はまた今日も部屋で一日寝ているんだろう。役立たず。お前なんて消えてしまえばいいんだ!」
と自分を責める言葉が聞こえてきたとしても、
(まぁそうかもね、でも予定は未定だからね~)
とサラッと受け流せたり。
部屋の隅からいつも湧いてくる虫達が見えたとしても、
(あ、またいつもの幻視だ。本当はいないから大丈夫、大丈夫。)
と思い直せたり。
統合失調症の症状が出たとしても、そんな風に上手く症状と付き合える状態になることが出来ればそれが一番なのではないかと思うのだ。
「治った」とは少し違うけれど、病気の症状が出た時にはきちんと認識出来て尚且つ上手く付き合えるようになること。
そしてそうすることの出来る、ある程度落ち着いた状態を維持することが出来る事。
この病気を完全に治し、断薬してずっと落ち着いた状態を保つことはなかなか難しい。(また今度別で記事にしてみようと思います)
でも、その状態を目指すのは難しくとも、この病気と上手く向き合い、付き合っていくことは出来るようになると思うのだ。
そして、それがある意味では
「統合失調症が治った」
という状態と≒(一番イコールに近い)と私は思う。
今の私の個人的な考えであるという事から抜け出せるような定義ではないのだけれど・・・。
追記:断薬が成功してそのまま治ってしまう人も確かにいます。
絶対に断薬まで至らないという事ではないということも添えておきます。
ふわ。